あおいことり

いつか詩集にするため素敵な詩を綴りたいです

詩『アイスクリーム、ラブ』

これは夢? 溶けてなくなりそうな 夜の街角は 電飾の色が何種類も 混ざり合っている 覚める前にせめてもう一度 目の前が現実かどうかを 取り急ぎ確かめたくなり ぎゅっと手を差し出して 握ってもらう 二人は歩く 繋いだ手の中で 体温が柔らかく 二人の時間が…

詩『つくし』

小石混じりの土は ザラザラとかたそうなのに ヒョロヒョロのつくしが二本生えていた 細ーく長ーく 折れそうに見えて 案外頼もしい タンポポもそばに植わってた みんなたくましく生きている 頑張っていて偉いなあ 私も頑張っていかなくちゃ

詩『カラスのカーコ』

朝が来て目を覚ますとカラスの鳴き声がした あ、カラスのカーコが鳴いている おいしそうな食べ物を見つけたって ダミ声でギャーギャー叫んでる 家のそばの小さな山 いろんな種類の鳥が休んでる スズメやヒヨドリ メジロに珍しい野鳥 ピィチュチュをおしゃべ…

詩『春のうた』

土からタンポポが生えていた 黄色いリボンを頭に飾り のびやかな歌声が あちらこちらで 朗らかに 仲良しのホトケノザ リズムに合わせ ピンクの髪をユラユラと ワンツーワンツー 暖かくて良い気持ち 空は晴れ晴れ 猫がひとアクビして しっぽの先まで のびてと…

詩『おひなさま』

私のかわいいおひなさま 目を閉じれば瞼の裏に現れる お母さんが毎年飾ってくれた 7段飾りの雛人形 女雛さま男雛さま 右大臣に左大臣 桜と橘 三人官女 五人囃子 牛車やお茶道具や裁縫箱 桐製のオルゴールはネジを回すと ひな祭りのメロディ ばあちゃんが雛…

詩『不眠症』

真夜中に目が覚めた 風が窓の外を吹き荒れてた ガラガラどんどこ 賑わしい お祭り騒ぎ 胸騒ぎ 半分閉じたまぶたに 耳だけが起きている 季節がもうじき新しくなる

詩『なかよしサン』

家族と喧嘩した 私は負けじと大きな声で 眉間に皺を寄せて 肩をいからせ 怒った フウチャンが 鈴を鳴らし ジャンプしながら どこかへ去った お母さんが 『あーあ、かわいそうに フウチャンいけるで? ちょっとアンタがガーガー 怒鳴ったけんフウチャン 玄関…

詩『ダイヤの原石』

心が傷つく度に 心が傷み擦り減る 損だと思い込んでた 傷つくのを恐れてた けれども思い返せば 傷ついたのではなく 磨かれる為にたくさん 失敗してきたかも? 嫌なことのあとに 私のとげとけしさは 丸くなり光っていく 心が洗練されていく 例えば清掃の知識…

詩『ぐー』

おててを ぐー すぼめて ぐー さくらが ぐー ねてるよ ぐー おきない ぐー さむいよ ぐー もうすぐ ぐー おめざめ ぐー おなかが ぐー すいたよ ぐー

詩『風刺』

竹輪の小さくて歪んだ穴 そこから覗いた世界でも 片目で同じ景色を見るたび それが事実となって映る 言葉ひとつで誰かが騒がれて 反省ないのかとまた叩かれて 謝って辞めた 一瞬を切り取られていく一枚 切り取らずに前後をそのまんま つなげるとどんな映像が…

詩『開花』

神社の片隅に 梅の木が植っている 二月の冷えた空色の下 濃いピンクがね か細い焦茶色の指先で 頑張って燃えていたの それなのに ビュービュー風が強い どうか風さん そんなに闇雲に吹かないで 大事に灯した火が消えそうだよ

詩『苺大福』

苺大福を買った 城山に行ったとき ある和菓子屋の前を通り 苺大福という言葉を目にしたのだ 苺の季節限定なので今しか買えない 今が買い時don't miss it見逃すな そう思い店に入ったものの 一個302円…! ン、少々高めの値段設定に一瞬怯む しかし季節限定品…

詩『私の好きな詩』

あれ、さっきみたフレーズは なんだったんだ?! 広がる波紋 しばらくは心地良さに浸る しかし、 あの感動をもう一度味わいたくて ページをめくる やっぱり幻ではなく 本物だった! 理由はわからないけど 好きな詩は何年たっても ずっと好きなままだ

詩『クスノキの木』

神社のクスノキは 大きくてお顔までは見えない 茶色いお肌は皺だらけだし 緑の腕は空へ握手を求めてる おみ足は筋骨隆々だ 雨にさらされ 風が吹いても 地震が来ても 雷が鳴る日も ずっと前から 今日も明日も 葉に触れてみた 幹に耳を当ててみた 木は黙ってい…

詩『謎I』

大きくも小さくもない 何の意味も為さない 訳が良くわからない 水中をぷかぷか 波間をふわふわ 泳いでいるようで 泳いでいない 指先でつつくとソイツから びりびり低周波と暗号が流れてきた マークナラ『?』 数字ナラ『0』 色ワ『透明』 職業『無職』 住ム…

詩『別れた日』

『疲れたからバイバイ』 透明なシャッターを 目の前で下ろしてN氏は どこかへ消えた よく晴れた日 あっけない幕引きだった 淡々とした短文は、恋の熱量が残り少ないのを物語っていたように感じる 横隔膜のあたりが ヒリヒリして 目の奥がツンとする 時々ふと…

詩『ギラギラ✨』

ゴッホの絵を観た 第一印象はうるさいだった 自分をさらして拒絶され 零れ落ちた色が 叫び声のように響く あの絵は黄色が目立つ 黄色に注目すると 眉間に皺を寄せては 後頭部がクラクラしてしまう 絵の青い色を認めた 不思議な絵 黄色以外を注目して絵を見る…

詩『から』

からっぽの鞄 何を詰めていこうって 思案をしている 小さな子が鞄の隅で 隠れて背をまるめて 泣いてた事がある 大きくなってもその子 猫背で目立ちたく無いから うつむき加減なまんま 自信なくて 周りに頼ってしまう 幼いままなんだろう 自分とは何だろう? …

詩『手紙…沢山のあなたへ…』

例えば心がガラスになり壊れたとしても… バラバラになってしまったら 散らばった欠片をひとつひとつ 丁寧に集めてみようと思っています どんな記憶が入っているでしょう? 死んだばあちゃんにも 好きだった男の人にも 死んだ詩人の人にも 事情があって会えな…

詩『夜の気配』

どれくらいの間悩む事に 費やしてきたでしょう 正しい答えを求めては 未だ得られずにいます そんな時にも夜は 裁いたりも 褒めたりも しません むしろ凛として ふけゆくので 夜の大きさを感じ 安心していられます

詩『師弟』

ネコ師匠に弟子入りしたい 狙っても狙えない あの頂きに到達したい 嫌われても気にしない 好かれても気にしない わがまま気まま 迷わないブレない 常にリラックス 昼寝ねんねこ ヨガごろごろ おなかが空けば にゃあにゃあ胡麻スリスリ 気が進まない時は その…

詩『愛想笑い』

おかしくも無いのに笑うクセ 態度と気持ちが解離してるの すでに気づいてるでしょう? 優しい悪意 その場限りの『また今度』等の 言葉は着飾る 空っぽの中身 上辺だけ笑顔を作ろうと ゆがむ表情 目の奥をじっと見つめないで きっと恐れが揺らめいている 不自…

詩『劣等感』

出来ないことだらけって劣等感が愚痴ってる 誰かが言ってたね 『出来ないのはやらないから。 失敗のままにして終わるとただの失敗。 失敗を見直して改善するように努力するから成功する。』 劣等感に問う 些細な失敗をもう駄目と諦め終わったままにしてない…

詩『孵化』

PM10時過ぎ 子守唄代わりに ハープのメロディを スマホから流した 童心に還るように 目を瞑る 暗闇の美しさに 震えていた さなぎの中で 青く幼い日には 戻れないのだと 蝶々は知るように

詩『ミッション』

宝探しゲームをしています じっとしゃがみ込むと世界は狭まる 暗いまんまは嫌なので抜け出したい 広い世界のどこか片隅にある 自分だけが知る宇宙において 宝探しゲームをしています 心臓の辺りがポカポカなら進む 体が冷えて猫背になるなら休む ひとつひと…

詩『ピーヨロヨ?』

とんびは ピーヨロヨロヨー 歌を口ずさみ 風に身を任せて漂う 空のクラゲだ とんびに言わせりゃ 先の取り越し苦労や 赤い過去なんか もう気にしないでいいよと 笑われてしまうね 百年前は生きて居ない 百年先は誰も知らない 歌でも歌って 過去は水に流し 流…

詩『フウタの気持ち』

『母さんどこ?寂しいニャア』 猫のフウチャンが喉の奥でゴロゴロ鳴いている ときどき母さんを思い出して 柔らかい物にしがみつきふみふみしてる 私が寝ようと毛布やぬいぐるみを触れる時ジメジメしてるからここを噛んでいたのがわかる これはフウタのよだれ…

詩『これから』

あとどれくらい 寝たら忘れられる? 重たい涙で枕がひんやりしていた すみっこで目立たないように 気配を消して寝た振りをする 太陽が部屋にやってきて 『グッモーニン!朝ですよ』 と笑顔を向けてくれた 素直になれずに顔を隠した また寝た振りを始めそうに…

詩『かがみ』

空と海はお互いを写し合っている 空が雷雲をかくして晴れている振りをするとき 海も上辺だけで晴れ間をつくっていた 空がどこまでも明るく澄んでいたとき 海は気持ちよく澄みわたっていた

詩『比べっこ』

お父さんに言われて嬉しかった言葉がある カーコ お前、誰とも比べるな 人それぞれ個性が違う 人と比べて劣ってるところ探したって意味ない それよりもっと良い方法がある 過去の自分と比べっこするんじゃ 昨日の自分と 一年前の自分と 三年前の自分と 比べ…