詩『はがいたらしい』
はがいたらしいなあ(歯がゆい、憎たらしいという意味の阿波弁)
お母さんに言いたい事が伝わらん
いつもそうじゃ
幼い頃から、私が話出すと聞いとるふりしてそばに置いてある
新聞を手に取って読みながら生返事するんじゃ
あるいは
ラジオのスイッチを入れて料理を作り始めながら生返事するんやな
テレビのリモコンを手に取り視聴しながらアッハハと爆笑する事もある
私は怪訝な顔してお母さんに新聞読みながら話ちゃんと聞けているのか問う
聞いとるよ時間がもったいないけん、
新聞読みもってアンタの話も聞いとるわよ?
そう自信たっぷりで答えるので
じゃあ私が何を話したか覚えている内容話して?
と頼むと頓珍漢な答えが返ってくる
やっぱり聞いてない!?と言うと
お母さんは
わかったわかったってお母さんは忙しいんよ!時間もったいない、
わかった振りをしてどこかへ逃げて行った
脳は使える容量が決まっているから
何かに気を取られている状態で違う作業を行うと
力が分散されてしまい本来の能力が発揮出来ないと
主治医の先生が話していたっけ
つまりマルチタスクすればするほど脳率が落ちていくって
要するにお母さんは私の話なんか一ミリグラムも興味無いしむしろ面倒で聞きたく無いから、違う作業をして誤魔化しているのだろう
それだけは伝わる
愛の反対は無関心
お母さんはいつだって私に無関心
嫌いではなくどうでも良い人なんよ
私はお母さんの冷たいところが大嫌いだ
私はまだお母さんに関心あるし、いつか
わかり合いたい願望が強いと思うわ
お母さんは誰の事も好きでも嫌いでも無い
ただ無関心なんだと思う
父にも頓珍漢な受け答えするやっちゃ
話をちゃんと聞いとけと怒られてた
人の話を聞けないのは目の前の相手に大した興味がない証拠
自分の大好きな芸能人が目の前に現れたら
尊敬してやまない相手が話出したりしたら
一分一秒聞き漏らすまいと真剣に相手を観て
相手の言葉を聴くはずだモン