あおいことり

いつか詩集にするため素敵な詩を綴りたいです

詩『虎馬』

波の音は、

近づいて来ては

すぐ遠ざかってしまう

 

幼い頃

『いけるか?』

転ばない様に

手を差し出して

繋いでくれた

素面のときは

優しい父

 

幼い頃

『お前みたいなヤツ、社会で通用するかッ!』

社会の厳しさを

どつくことで

教えようとした

酒臭い呼気と

虎の様な父

 

優しい記憶

辛い記憶

シーソーしてる

 

ギッコンバッタン

天使

ギッコンバッタン

悪魔

世界がいっぺんに切り替わり

記憶がバラバラになる

視野が狭く極端に気持ちが揺れる

急に好きになり近づいて甘やかし、

急に憎んだり怒って罵ったりする

 

私の中にも父のように

飼い慣らされていない

野生の馬がいる

ある時は人を美化し賛美して駆け寄り、

ある時は恐れおののき立ち去ってしまう

 

砂浜をいつかは

並んで歩けたらいい

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